「グローバル補助金プロジェクト報告」
モンゴル第二中央国立病院への神経外科手術用機器 寄付後の視察
2024年9月6日〜9日
モンゴル ウランバートル
星直前会長、榎本直前幹事、鈴木幹事、加藤国際奉仕委員長
卓話者:加藤幸男会員
どんなプロジェクト?(プロジェクトの概要)
プロジェクト名: | 脳外科および神経外科手術に必要な手術機器と器具を提供し、医療と社会福祉サービスを提供するプロジェクト |
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実施内容: | 動脈瘤による脳出血の手術を効率的に行う特殊な専用の設備と器具の寄贈 |
実施国の現状: | モンゴルでは毎年平均して人口10万人当たり290件が発症しており、死亡例は49例であり、脳出血の多発国 |
期待される効果: | 器具がないために手術できず転院した60~70%の手術受け入れ |
プロジェクトの必要資金と資金提供状況
去る6月7日に我々も支援国の一員となって実施されたモンゴル国へのグローバル補助金プロジェクトの贈呈式が執り行われた。
贈呈式の模様 2024/6/7
プロジェクトリーダーのトメさん(元東大阪ローターアクトクラブ)よりお誘いはあったが、こちらの予定がつかずにいたところ、どうしてもプロジェクトの成果と歓迎の意をこめて実施国側のクラブ「フレーロータリークラブ」に来ていただきたいとの連絡に対し、本年9月6日から3泊4日のモンゴル ウランバートル視察が実現した。
空港に着くと横断幕により迎えられ、そのまま夕食会場へと足を運んだ。お酒や歓迎の鼻タバコなどの効果もあり、打ち解けた雰囲気で時間は遅くまですぎた。
9月6日 お迎え風景
翌7日、モンゴル第2中央国立病院を訪ね外科部長より、経緯も含めた医療器具の成果の説明と感謝の意を伝えられた。
7日 モンゴル第2中央国立病院
外科部長より手術器具の成果の説明を受ける
病院は土曜日で休診であったため少し閑散としていたが、我々は施設の邪魔をすることなく視察できた。
衛生管理のため手術服に着替える
寄贈した手術器具は手術に備え消毒後、パッキングされている
視察後、部屋で休養をとったのち、実施国側のクラブ「フレーロータリークラブを訪問した。会長や米山学友の中心的存在でクラブのメンバー、今年度から国会議員にもなったガラさんからも感謝の意と両クラブの今後の友好を伝えられた。
フレーロータリークラブの例会訪問
酒宴が進むにつれ盛り上がり夜は更けていった。
翌8日は、ウランバートルから約車で3時間(うち30分は道のない牧草地)の遊牧民が暮らす地域で遊牧民生活体験を受けた。この話はまた別の機会があればそちらに譲り、9日帰国の途についた。
検証・感想
- 年間の脳外科手術の受けいれ増加
6月から始まった最新の脳手術器具の成果はすぐに発揮され、今まで第3中央国立病院に搬送されていた年間90件の患者の受け入れが可能になった。 - 手術をさらに研修により最先端へ
9月6日に帰国したオックスフォードの医療ティームなどの最先端の医療器具を使用した手術方法の共同開発など単なる医療研修を超えた次元の医療技術の習得も可能になった。 - 中間報告は11月に取りまとめられ、我々の手の元に
現在、ウランバートルで取りまとめ中である手術器具の贈呈による成果の中間報告を11月末を目処に進行している。 - 数人の米山奨学生のネットワークで実現
病院の外科部長によるヴィデオにもあった通り、このプロジェクトのきっかけを作ったのは第3中央国立病院に勤めている医師がロータリー米山奨学生だったことにより「ロータリークラブへの相談」が行われこのプロジェクトが実現した。モンゴルにおいては、方もしたフレーロータリークラブのガラさんをはじめとする米山学友の積極的行動がロータリー活動の原動力につながるネットワークが構築されていいる。 - 論より証拠、百聞は一見に如かず
外科部長の病院内での説明風景にもあるように内視鏡手術用の本体スコープはすでに国家予算によって導入されていた。しかし、肝心の手術部位別のアタッチメントがなければさまざまな部位別の手術はできない。視察によってこのプロジェクトが何をもたらしていたのか、担当者同士のやりとりでは伝わりにくかったプロジェクトの本質を真に理解することになった。 - 感動の輪は広がる
我々一行は、外科部長から直接感謝の意を伝えられ現場を確認することにより文面通りの枠を超えた理解と感動を覚えた。このことが参考になって更なる感動の輪になることを願ってこの報告を終わらせていただきたい。
ご静聴ありがとございました。
国際奉仕委員長 加藤幸男
卓話公開日 2024年 10月28日