「スポーツビジネスについて」
卓話者:加藤芳信 会員
高度経済成長がはじまったころ、プロ野球と大相撲が日本の人気スポーツでした。60年代後半からは、空前のボーリングブームに沸き、「一億総中流」といわれる中、世のサラリーマンはサンデーゴルファーになりました。豊かになった80年代の大学生は、テニスやスキーなどのサークル活動を楽しんだものです。その後、バブル期となり、バブルが崩壊したあとの1993年にはJリーグが開幕し、今度は「Jリーグバブル」が膨らみました。ワールドカップの開催、それに伴う世界標準のスタジアムの建設、ホームタウンをチーム名としたことによる地方の活性化など、スポーツの持つ経済効果を改めて証明しました。2015年に開催されたラグビーワールドカップでは、日本代表が大活躍し、ラグビーブームが再来しました。バスケットボール界も、新たなプロリーグ・Bリーグとして統一され、次なる人気スポーツの座を狙っています。
ただし、日本は人口減少の段階に入りました。スポーツ関連の市場は縮小するのでしょうか。少子高齢化により高齢者の市場は拡大していますし、「飽食の時代」は「健康志向」を生み出し、日常的に運動をする人の数は増えています。新たなスポーツビジネスを具現化するにはイノベーションが不可欠です。現在オリンピックは続いておりますが、ビジネス感覚に基づいた戦略と戦術がなければ、オリンピックといえども、今後は壮大な無駄遣いに終わってしまうでしょう。
今回はスポーツビジネスの中でもスポーツ関連の仕事の種類と内容にスポットライトを当ててご紹介したいと思います。
- 監督やコーチへの道
競技の中心はあくまで選手です。ところが、ともすれば、選手よりも監督やコーチが注目されることもあります。これは日本のスポーツ界特有のことかもしれません。現在Jリーグでは監督になるにはS級ライセンスを取得しなければなりません。 - 審判になるには
ゴルフを除いてすべてのスポーツは審判が競技に立ち会います。以前は選手を辞めた人が行なうものとされていたこともありましたが、最近では最初から審判を目指す人も増えています。プロ野球ではNPBアンパイアスクールを設立し座学と実技を受講し適性が認められなければいけません。Jリーグは公認審判員制度を制定しています。 - チームの縁の下の力持ち
どんな組織にも裏方はいます。裏方の中でも縁の下の力持ちのような存在は欠かせません。プロスポーツの世界ではその仕事に誇りをもち、プロフェッショナルとしてその道を究める人もいます。
サッカーの世界ではホぺイロという用具係が有り、多種多様な働きをしており、選手に適格なアドバイスを送り選手から信頼されています。 - 運営会社職員になるには
努力をしたとしても、誰もがプロスポーツチームの選手になれるわけではありません。それでも夢の舞台に近づく方法があります。そのひとつがチーム運営会社の職員になることです。一般の職員は球団の募集に応じて面接や入社試験を受けて採用されます。
≪スポーツ関連の仕事の種類と内容≫
プロスポーツ選手への道は狭き門といわれています。ひとつのプロスポーツやチームは大勢の人たちが関わっており、彼らの存在なしには成立しません。その仕事には有名、無名に関わらず、様々な種類があります。そして、それらを目指すことは努力も必要ですが、可能性は高いと思います。
卓話公開日 2025年 2月3日